クライアント概要
課題
Peter Sportsはオーストラリアを拠点にオンラインでスポーツ用品を販売する成長企業です。ECプラットフォーム上での販売は好調でしたが、バックオフィスの業務プロセスに構造的な限界を抱えていました。
- 受注処理に3名が1日200件を手作業で処理。注文確認、在庫照合、出荷指示、追跡番号の通知まですべて手動で行っており、ピーク時(セール期間、年末年始)には処理遅延が常態化していました。
- 顧客フォローアップが担当者の記憶に依存。リピーター育成の仕組みがなく、購入後のフォローは属人的。担当者の退職時にノウハウごと消失するリスクを抱えていました。
- 在庫管理がスプレッドシートベースで、週次の棚卸しで毎回差異が発生。実在庫とデータの乖離が月平均23件にのぼり、欠品による機会損失と過剰在庫の双方が利益を圧迫していました。
AI Readiness Assessment
導入前に6つの観点からAI導入準備度を評価しました。
| 評価項目 | スコア | 現状 |
|---|---|---|
| Data | 3 | ECプラットフォームにデータ蓄積あり |
| Infrastructure | 3 | クラウドEC、一部API連携 |
| Talent | 2 | EC運用スキルはあるがAI知識なし |
| Culture | 4 | データ活用への意欲が高い |
| Process | 2 | 属人的な業務フロー |
| Governance | 2 | データ管理ルール未整備 |
| 平均スコア | 2.7 |
ソリューション設計
AI導入ではなく、EC業務の構造そのものの再設計を3フェーズで実施しました。
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Phase 1
AI受注処理エージェント(5週間)
注文受付から在庫確認、出荷指示、追跡番号通知までの一連のフローを自動化。ECプラットフォームのAPIと連携し、注文データを自動取得。在庫状況をリアルタイムで照合し、倉庫への出荷指示と顧客への追跡番号通知を人手を介さずに完結させる仕組みを構築しました。
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Phase 2
AI-CRM:顧客セグメンテーション + 自動フォローアップ(4週間)
購買履歴ベースで顧客を自動セグメント分類。購入後のお礼メール、使用感ヒアリング、関連商品の提案、再購入促進まで、セグメントごとに最適化されたフォローアップシーケンスを自動実行。担当者の記憶に依存しない、構造的なリピート顧客育成の仕組みを実現しました。
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Phase 3
在庫予測AI(4週間)
過去2年分の販売データに季節性、トレンド、プロモーション効果を加味した需要予測モデルを構築。SKUごとの適正在庫水準を算出し、発注タイミングと数量を自動提案。スプレッドシートによる手動管理から、データドリブンな在庫最適化へ移行しました。
定量成果
| 指標 | Before | After | 変化 |
|---|---|---|---|
| 受注処理時間/件 | 15分 | 4.5分 | -70% |
| 在庫差異(月次) | 平均23件 | 2件 | -91% |
| リピート顧客売上 | ¥12,600,000/月 | ¥17,010,000/月 | +35% |
| 顧客対応漏れ | 月15件 | 0件 | -100% |
| 受注処理スタッフ | 3名 | 1名 | 2名をマーケティングへ |
| 月間売上増 | — | +¥4,410,000 | — |
ROI分析
バリューチェーンへの影響
単なるツール導入ではなく、EC事業のバリューチェーン全体を構造的に再設計しました。
- インバウンド(仕入・在庫) スプレッドシート → AI需要予測 + 自動発注
- オペレーション(受注処理) 手作業 → AIエージェント自動処理
- アウトバウンド(配送管理) 手動追跡 → 自動通知
- マーケティング(顧客管理) 属人的 → AIセグメンテーション + 自動フォロー
クライアントの声
ECの受注処理って、毎日同じことの繰り返しなんです。でもミスは許されない。Algentioさんに相談したら、「その繰り返し作業こそAIエージェントが最も得意とする領域です」と言われて、確かにそうだなと。導入後、スタッフがマーケティングに時間を使えるようになって、売上が目に見えて伸びました。
— Peter Sports 取締役